劉輝:「余の部屋へようこそ! 新年早々縁起よく、兄上が訪れてくれている! 兄上は、皆から頼りない、しっかりしろ、何を考えている、と叱咤激励を受ける余を支えてくれる、とても頼もしい存在なのだ!」

静蘭:「劉輝、誰もがみんな味方にはなってくれないだろうけど、何があっても、私と(たぶん)お嬢様は、君の味方だということを忘れないようにね。」

劉輝:「あ、兄上~っ!! 兄上から直接こんなことを言ってもらえるなんて……。ハッ!! もしやこれは、夢なんじゃ…。実は兄上が余の部屋を訪れたこと自体夢で、まさかの、初夢で『夢オチ』というやつか…!?」

静蘭:「『夢オチ』なんて言葉どこで覚えてきたんだ…。劉輝もずいぶん疑い深くなってしまって。昔は、あんなに素直だったのに。むしろ素直さがとりえだったのに…」

劉輝:「いやいや、良い出来事に関しては、特に疑うようにしているんです。違ったときに、後で、余計にかなしくさびしくなるので……」

静蘭:「(不憫な…)じゃあ、これで、夢じゃないと信じられるかな?」

(ギュウッ)

劉輝:「いったーーー!! あ、兄上、何するんですか!! なんてとこを掴むんですか!?」

静蘭:「劉輝のほっぺたはよくのびるな。昔からホントに。でも、これで夢じゃないって信じられただろう?」

劉輝:「う…、そんな極上の笑みを浮かべて…。確かにこの痛みは、夢にしては鋭すぎます。おー痛い。」

静蘭:「ちょっと大げさだな、劉輝は。それじゃあまるで私が、君にひどいことをしたみたいじゃないか。ね?」

劉輝:「い、いや、決してひどいことはされていませんが…。(目が笑っていない…)」

静蘭:「ん? どうかしたかい?」

劉輝:「いえ、せっかく兄上が来て下さって、夢でもないとわかったので、まずは茶でも一緒に飲もうか、と思いまして。」

静蘭:「それはいいね。どれ、私が淹れてこよう。」

劉輝:「いや、兄上にそんなことはさせられません!」

静蘭:「いいんだよ。(ついでに、お嬢様のお土産になりそうな茶菓子を探すから…)」

劉輝:「やっぱり兄上は優しいな…。余に夢じゃないと気づかせてくれて、お茶まで淹れてくれて!」

(じっと見つめて)

静蘭:「劉輝…、変わらず、そのままでいてくれ…。」
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