劉輝:「余の部屋へようこそ! しばしの雲隠れの理由? 皆がどれくらい余を呼んでくれるか試そうと、こっそり見ていたのだ。……意外と少なくて、戻るに戻れなくなりかけていたのだが…。まあ、もともと、余は忘れられがちな存在で、そんな余を気にかけてくれたのは清苑兄上だけで……って、いかん!! 新年早々、ものすごーく暗い堂々巡りに入るところだった。余の悪い癖だな。秀麗と出会って変わったはずなのに、これではいかんいかんっ!! この部屋にいると、誰かが来てくれるのを待つばかりになるから、つい悪い方へと考えてしまう。むむ…、よく考えたら、余の部屋では誰かが来るのをひたすら待たねばならない、なんて法律、誰が作ったんだ? 余は王なのだから、無意味で理不尽、しかも国民に直接関係のない法律なら変えられるのでは……?」
(コンコン)

劉輝:「しかし、誰に掛け合うべきか…。いきなり朝議に持ち出すのはまずいから、まず絳攸に相談して…。」
(トントン)

劉輝:「うむ…。うまく切り出さないと、『そんなしょーもないことに頭を使ってるヒマがあったら…』といつもの説教に突入してしまうからな…… 」
(ドンドン)

劉輝:「やはり、楸瑛に先に言っておいて、協力してもらおう! 楸瑛なら絳攸に、『まあ、そうカリカリしないで。君の無駄にきれいな顔が台無しだよ。主上も何か考えがあってのことだろうし』とかなんとか言ってくれて…。火に油をそそぎそうだ…。うーむ、どうしたらよいのだ…」
(ドカッ!!)

劉輝:(ビクッ)「な、なんの音だ! って、誰かが扉を叩いていたのか。考えごとをしていたから、ちっとも気づかなかった。にしても、乱暴な…、いったい誰なのだ!!」
(ガラリ)

静蘭:「お久しぶりです。」

劉輝:「あっ!! あ、兄上ー!?」

静蘭:「ああ、そうだよ。旦那様が、『主上がお一人でこもられて悲しそうにされていたから、時間があいた時にでもおたずねしてみたらどうだい?』
とおっしゃったのでね。仕事の合間に来てみたんだけど、なかなか開かないから、何かよからぬことがあったのかと思って、つい……。」

劉輝:「つい、堅い扉にヒビを入れてしまったんですね…。さすがです、兄上。いや、ちょっと考えごとをしていたんですが、つまらないことだったんで、気にしないでください。外は寒いでしょう? ささ、とにかく中へ入ってください!」

静蘭:「では、遠慮なく…」

劉輝:「法律を変えずとも、まだ余には訪れてくれる人がいた…。邵可には感謝感謝だな。ヒビから入ってくる隙間風もなんのその。余は、兄上がいてくれれば、他に(秀麗以外)何もいらないのだ!!」
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